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日外会誌. 115(1): 5-7, 2014


特集

National Clinical Databaseの現状とこれから

2. 外科専門医制度で果たしたNCDの役割とこれから

慶應義塾大学 医学部外科

北郷 実 , 北川 雄光

I.内容要旨
National Clinical Database(NCD)事業は2011年1月より開始され,1年間で121万の症例が登録された.これは外科専門医制度における診療実績登録システムとしてNCDへの手術症例登録を必須としたことが大きく寄与したと考えられる.今後,NCDに登録されたデータを利活用して,外科専門医申請·更新のみならず関連学会(サブスペシャルティ)専門医や指導医など複数資格申請に使用されることが期待される.NCDのデータ解析により,医療水準評価や各施設の全体における位置づけ,専門医による医療実践の意義などが客観的に明らかになる可能性がある.データ公表に際してはNCD機構と参加学会が協議した上で慎重に公表基準を策定することが必要である.さらに専門医のインセンティブを考慮した診療報酬の設定などを行い,質の高い臨床研究の遂行,医療の質の向上への寄与が期待される.このNCD事業が定着するには,データ登録を簡便化して会員の利便性を図り,NCDのデータ利活用が透明で公平性がありかつ一般国民にも分かりやすい制度にすること,システム維持のための財政基盤整備が必要である.

キーワード
外科専門医制度, サブスペシャルティ, 医療水準評価, インセンティブ, 臨床研究


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