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日外会誌. 114(5): 262-267, 2013


会員のための企画

がんに対する免疫療法の現状と展望

基礎―知っておきたいポイント―

川崎医科大学 臨床腫瘍学

山口 佳之

I.内容要旨
がんに対する免疫療法が,今また注目されている.2010年の米国における樹状細胞ワクチンの承認に端を発し,抗腫瘍免疫応答の基盤的理解に基づく免疫療法が次々とベールを脱いでいる.本項においては,外科医も知っておくべき,がんに対する免疫療法の理解に必要な抗腫瘍免疫応答の基礎的事項について概説した.ポイントは,1)自然免疫と獲得免疫,2)樹状細胞による抗原提示とTリンパ球による抗原認識の分子機構,および,3)免疫制御のチェックポイントにおける分子機構である.がん治療に携わる機会の多い外科医にとって,抗腫瘍免疫関連事項は,今後,無関心ではいられない時代となった.本項が何かのお手伝いになれば幸いである.

キーワード
がん免疫療法, 樹状細胞, 免疫チェックポイント, CTLA-4, PD-1


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