[
書誌情報]
[
全文HTML]
[
全文PDF] (349KB)
[会員限定][
検索結果へ戻る]
日外会誌. 114(4): 201-205, 2013
会員のための企画
小児から成人に至る外科―こどもからおとなへ―
胆道閉鎖症術後の成人期の問題
I.内容要旨
東北大学における胆道閉鎖症術後20以上生存例は120例で,そのうち自己肝生存が98例であった.20歳以降に肝移植が必要となる例もまれではなく,現時点での自己肝生存例は85例,移植後生存例は30例である.5例を成人期以後に失っており,この5例以外にも胆管炎や門脈圧亢進症,妊娠出産にかかわる事柄など多くの問題を経験した.成人期の問題に対しては対応が後手に回りがちで,解決が困難であることが多いが,そこに至るまでの,十分な健康管理と定期的通院を促すような患者教育が重要である一方,こういったいわゆるトランジション症例に対する多職種連携によるフォローアップおよびサポート体制の確立と医療行政面での支援体制の整備が急務である.胆道閉鎖症全国登録の集計結果にみるわが国の長期成績は世界に誇るべきものであるが,さらなる成績向上のためには,本症の早期診断の徹底,病因·病態の解明が課題である.
キーワード
胆道閉鎖症, 葛西手術, 肝移植, 長期生存例, 胆道閉鎖症全国登録
このページのトップへ戻る
PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。