[
書誌情報]
[
全文HTML]
[
全文PDF] (275KB)
[会員限定][
検索結果へ戻る]
日外会誌. 114(3): 132-136, 2013
特集
外科ライブ手術の意義とあり方について
3.胸部·心臓血管外科ライブ手術ガイドラインの解説とその功罪
I.内容要旨
「胸部·心臓血管外科ライブ手術ガイドライン」は,2006年のある開胸開腹人工血管置換ライブ手術中の患者急変の事例をうけ,日本心臓血管外科学会,日本胸部外科学会および日本血管外科学会の胸部·心臓血管外科ライブ手術ガイドライン合同作成委員会により策定された.このガイドラインは患者のプライバシーを守り,安全性を担保する点において国内外で高く評価された一方で,その基準が厳しいために日本から心臓血管外科領域のライブ手術がほぼ消滅した.一方,本ガイドラインはインターベンショナリスト等の非学会員に対しては拘束力を持たないので,外科以外の分野では本ガイドラインを遵守しない形でライブ手術が相変わらず盛んに行われている.また,本ガイドラインはステントグラフト内挿術のようにライブに適した血管内手術とそうでないものを同一に扱っているなどの課題も有している.我々はこれまでステントグラフト内挿術をはじめとする血管内治療を供覧するライブ手術の会を7回主催したが,参加した延べ5,700名の90%以上が有意義だったと回答した.2011年までの6年間で行ったライブ手術122例と同期間に行った非ライブ手術の合併症率,死亡率を比較した結果,ライブ手術の安全性は保たれている事が証明された.ライブ手術はライブに熟練した医師がルールを守りながら施行すれば透明性が高い上に効果的で安全な教育ツールであると考える.
キーワード
ライブ手術, ガイドライン, Japan Endovascular Symposium, 血管外科
このページのトップへ戻る
PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。