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日外会誌. 114(2): 85-91, 2013


特集

医療関連死の『見える化』

3.医療事故調査制度の創設に向けた基本的提言について―日本医師会 医療事故調査に関する検討委員会による―

1) 社会医療法人(社団)陽正会寺岡記念病院 理事長
2) 社団法人日本医師会 常任理事
3) 日本医師会総合政策研究機構 主任研究員

寺岡 暉1) , 高杉 敬久2) , 水谷 渉3)

I.内容要旨
近年の医療事故対策は,ヒューマンエラーを巡るリスクマネジメントから医療事故調査まで幅広く多彩な議論が重ねられ,「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」(以下「モデル事業」)を経て「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」が示されたが,成案には至らなかった.このような背景の下で,設置された日本医師会の検討委員会は,「医療事故調査制度の創設に向けた基本的提言」を行った.この提言の最大の特徴は,内発的·自律的取組であるという点にある.目指すところは,わが国における医療事故対策の基本として,医療事故の真の原因究明·再発防止に努め,同時に医療現場が萎縮することなく誠実かつ積極的に医療に取り組むことができるような医療事故調査制度を自ら創設することである.同時に医師法21条を改正し,医療行為に業務上過失致死傷罪を適用する状況を改革したい.

キーワード
診療行為に関連した死亡, 医師法21条, 大綱案, 医療事故調査委員会, 第三者的機関

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