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日外会誌. 114(2): 80-84, 2013
特集
医療関連死の『見える化』
2.医療安全調査委員会のこれまで
I.内容要旨
平成13年に医療安全推進室を設置し,医療安全対策を推進する中で,医療界を含め医療事故調査制度の関心が高まった.これらの意見を背景に,平成20年,医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案を発表した.これは,行政に調査機関を設置し,診療行為に関連した死亡を幅広く届け出て調査を行う考えであった.併せて,この機関への届出が行われた場合,医師法21条に基づく所管警察署長への届出を除外するなど,捜査機関との関係について一定の整理を行った.しかし,医療関係者から様々な懸念が寄せられ,平成21年に民主党政権が成立した後,再度検討することになった.平成23年8月,「医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に関する検討会」が設置され,4回の会議を行った後,まずは医療事故に係る調査の仕組み等のあり方について,別途検討部会を設置して議論を行うこととなった.平成24年2月,「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」を設置し,平成24年10月までの間に8回開催した.これまでのところ,医療側,患者側を代表とする各構成員の意見の隔たりは大きく,合意形成は容易ではないと思われる.今後も,ていねいな議論を行いながら課題を整理し,関係者が一致できる成案を探していくこととしている.
キーワード
医療事故調査制度, 無過失補償制度
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