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日外会誌. 114(1): 28-33, 2013


特集

癌のリンパ節微小転移―外科治療からみた臨床意義―

7.肺癌

1) 飯塚病院 呼吸器外科
2) 新小文字病院 総院長
3) 産業医科大学 名誉教授

大崎 敏弘1) , 安元 公正2)3)

I.内容要旨
肺癌のリンパ節微小転移はその頻度や予後との関連において一定の見解が得られず日常臨床に応用されることはなかった.しかし最近,大規模な前向き多施設共同試験の結果が報告され,予後·再発予測因子としての臨床的意義が明らかになりつつある.肺癌外科治療の観点からは予後予測,早期再発診断に加えて,sentinel node navigation surgeryや区域切除への導入,補助化学療法などの個別化治療への応用などが考えられる.今後,日常臨床で用いるためには診断手技の標準化と効率化が不可欠である.また近年,末梢血循環癌細胞(circulating tumor cell:CTC),骨髄遊離癌細胞(Disseminated tumor cell:DTC)などの微量癌細胞の研究も進んでおり,転移メカニズムの解明,微量癌細胞を標的とした治療戦略の構築に繋がることが期待される.

キーワード
肺癌, リンパ節, 微小転移, 外科治療

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