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日外会誌. 114(1): 13-16, 2013


特集

癌のリンパ節微小転移―外科治療からみた臨床意義―

4.胃癌

金沢大学 消化器·乳腺·移植再生外科

藤村 隆 , 柄田 智也 , 木下 淳 , 尾山 勝信 , 伏田 幸夫 , 太田 哲生

I.内容要旨
胃癌のリンパ節における微小転移(micrometastasis,MM)の定義は,International Union Against Cancer(UICC)のTNM分類(第6版)1) に初めて記載された定義が一般的に使用されており,改定された第14版胃癌取扱い規約2) にもその要旨が脚注に引用されている.MMを検出する方法には,免疫組織化学染色(immunohistochemistry,IHC)などによる病理組織学的手法とRT-PCR法やone-step nucleic acid amplification(OSNA)法などの分子生物学的手法が知られている.近年の技術の進歩により,これらの方法におけるMMの検出時間は30∼40分と短縮しており,術中診断への応用も可能となっている.リンパ節MMの予後に与える影響については多くの研究が行われているが,遺残なく切除された場合でも影響があるかどうかはcontroversialである.一方sentinel node navigation surgery(SNNS)においても,術中にMMを検索することが安全な縮小手術を行うために有用と考えられている.

キーワード
胃癌微小転移, リンパ節転移, センチネルリンパ節, リンパ流域


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