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日外会誌. 114(1): 9-12, 2013


特集

癌のリンパ節微小転移―外科治療からみた臨床意義―

3.食道癌リンパ節微小転移とその臨床的意義

慶應義塾大学 外科

竹内 裕也 , 川久保 博文 , 才川 義朗 , 大森 泰 , 北川 雄光

I.内容要旨
食道癌のリンパ節転移は頸部から腹部まで広範に分布する特徴を有しているが,現状ではCTやEUS,FDG-PET等によるリンパ節転移画像診断は決して満足できるものではなく,とくに微小なリンパ節転移の検出はきわめて困難である.さらに食道癌のリンパ節転移は頸部·胸部·腹部と広範囲かつ多彩であり,その転移部位を正確に予測·同定することは容易でない.
悪性度の高い食道癌においてリンパ節微小転移の存在は無視できないものであり,病理学的な術中転移診断の限界から分子生物学的手法を用いた新たな術中転移診断法の開発も進められている.しかし微小転移やisolated tumor cells(ITC)の臨床的意義についてはいまだ明らかではなく,長期予後の検討も含め今後さらなる検証が必要である.

キーワード
食道癌, リンパ節, 微小転移, RT-PCR

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