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日外会誌. 113(6): 490-495, 2012
特集
内分泌外科の現状と将来
3.副甲状腺の外科
I.内容要旨
外科治療の対象となる副甲状腺疾患は,病態的には原発性副甲状腺機能亢進症(副甲状腺癌も含む)と腎性副甲状腺機能亢進症に分けられる.原発性副甲状腺機能亢進症は,術中に全ての副甲状腺を確認,生検する両側頸部検索が推奨された時代から,超音波やCTの登場により,術前に責任病変の局在診断を行い,腫大腺のある片側のみの検索が推奨されたのが1970年台である.その後,USの精度上昇と
201Tl-
99mTcシンチの開発があり,1990年台に
99mTc-MIBIを用いた副甲状腺シンチが登場し,一挙に責任病変のみを摘出するFocused approachが提唱された.また,術中迅速PTH測定法やradio-guided imagingといった術中支援システムも臨床導入されることで腫大腺のみの摘出を行うFocused Parathyroidectomyが主流となってきた.一方,腎性副甲状腺機能亢進症の管理は,骨障害のみならず,透析患者における心血管系合併症の増悪阻止を目標にガイドラインが作成され加療が行われている.Ca擬似性作動薬の一つであるCinacalcetの登場以来,外科治療を含めて大きな変革が起こっている.バイオフォスホネートを主とした薬物治療に関しても新たな知見が蓄積されており,日々,診断·治療に関して進化していく局面が顕著に表れているのも副甲状腺疾患の特徴と考えられる.
キーワード
Hyperparathyroidism, Parathyroidectomy, Focused approach, 99mTc-MIBI, Cinacalcet
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