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日外会誌. 113(3): 334-339, 2012


特別寄稿

外科医の特性と職務環境分析―京大病院医師アンケート調査から―

1) 京都大学 医学研究科消化管外科
2) 京都府立医科大学 医学教育研究センター
3) 京都大学 経済学研究科

大越 香江1) , 田邉 智子2) , 久本 憲夫3) , 坂井 義治1)

I.内容要旨
我々は平成22年3月に京都大学医学部附属病院全医師を対象に勤務環境や満足度,疲労感などに関する調査を行った.外科医と外科以外の医師の比較を行ったところ,外科医の勤務時間は長く,収入は少ない傾向にあった.外科医は医師仲間とのチームワーク,興味深い症例をマネジメントする機会,患者からの感謝などにより満足感を得ているという結果であった.長時間勤務,少ない収入という勤務環境においても外科医は自分の仕事に満足しており,疲労感も少ない傾向であった.現状では外科医個人の達成感や満足感に依存することで外科診療が成り立っているものの,外科医の精神力にもいつか限界が来る可能性がある.実際,若手外科医の数は増加していない.今後は現役外科医の離脱を阻止し,若手医師が魅力を感じるような環境整備のために収入の保証と外科医の長時間労働(特に連続勤務)の禁止·医療スタッフの拡充による手術以外の業務軽減を考慮すべきである.

キーワード
外科医, 勤務環境, 職務満足

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