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日外会誌. 113(2): 257-262, 2012


特別寄稿

多施設共同研修医スキルアップセミナーについて―外科医不足解消および地域連携のための方策として―

1) 川崎幸病院 消化器病センター外科
2) 日本医大武蔵小杉病院 消化器病センター
3) 帝京大学溝口病院 外科

関川 浩司1) , 鈴木 英之2) , 杉山 保幸3)

I.内容要旨
外科医不足に関しては深刻な問題として最近各学会でテーマとして取り上げられている.この要因として新臨床研修カリキュラムにより研修医は外科系スキルアップに関する訓練の場も少なくなり,さらには外科の魅力を伝える場も少なくなっていることがあげられる.また臨床研修病院は教育に関する十分な施設と設備,器材などの整備を求められており,加えて指導医も多忙な日常診療の中,教育にも時間をさかなければならない.今回我々は研修医の外科手技習得とそのスキルアップを目指し,さらには外科研修を通して少しでも外科の魅力を伝える目的と施設負担の軽減,指導者層の負担軽減を目指し多施設共同研修医スキルアップセミナーを企画·開催した.これまで2回開催したが研修後に行ったアンケート調査からは研修内容について‘役だった’との研修医からの声が大半であった.また指導医に対するアンケートでも本セミナーは外科医志望数の増加や地域連携に寄与するという答えが得られた.このような多施設共同の研修医スキルアップセミナー開催は今後外科医不足の解決や救急をはじめとした地域連携問題の解決の一助となる事が期待される.

キーワード
外科医不足, 研修医教育, 多施設共同研修


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