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日外会誌. 113(2): 197-203, 2012


特集

癌研究における最近の進歩

6.癌におけるマイクロRNAの意義

国立がん研究センター研究所 分子細胞治療研究分野

髙橋 陵宇 , 小野 麻紀子 , 落谷 孝広

I.内容要旨
マイクロRNA(microRNA:miRNA)は20数塩基の非翻訳小分子RNAであり,相補性配列を介して標的遺伝子の翻訳抑制や分解制御を行うことで,発生·分化·代謝などの広範囲の生命現象において重要な役割を果たすことが明らかとなってきている.近年,様々な癌においてmiRNAの欠失や増幅といった発現異常が検出され,癌の発生や増殖ひいては悪性化にも強く関与することが報告されている.本稿ではmiRNAの発現異常を伴う癌の悪性化に関する最新の知見を紹介するとともに,miRNAの発現制御による新規治療法の開発といった診断·治療におけるmiRNAの有用性についても考察したい.

キーワード
発癌, microRNA, 核酸医薬, 治療診断


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