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日外会誌. 113(1): 4-7, 2012


特集

進行胃癌治療の最前線

2. 進行癌に対するリンパ節郭清のエビデンス

国立がん研究センター中央病院 消化管腫瘍科

深川 剛生

I.内容要旨
進行癌に対するリンパ節郭清のエビデンスは多くはない.多くは過去のデータ解析あるいは経験則によって決められている.現行の胃癌取扱い規約と胃癌治療ガイドラインに準じて治療方針を決定する.ただし専門家の間でも議論となる部分が存在するので,まずは標準術式を順守することが重要である.進行癌に対する標準リンパ節郭清はD2である.予防的大動脈周囲リンパ節郭清(No.16)はJCOG9501の結果,行われない.食道浸潤胃癌の場合は,下横隔動脈に沿ったリンパ節(No.19)と下縦隔リンパ節(No.110,111)の郭清を追加する.胃全摘の場合,No.11dとNo.10リンパ節郭清を完全に行うための脾摘の是非については,現在行われている臨床試験JCOG0110の結果が待たれる.下部胃癌におけるNo.14v,及び十二指腸浸潤癌の場合のNo.13の郭清についてはD2+と位置付けるが,依然議論がある.

キーワード
胃癌, リンパ節郭清, D2郭清, 大動脈周囲リンパ節郭清, 脾摘


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