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日外会誌. 112(6): 386-389, 2011


特集

頸動脈狭窄症の最近の動向

5.頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomyCEA)―対内科的治療との主要RCTのレビュー―

東京医科歯科大学 血管外科

井上 芳徳

I.内容要旨
頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)の適応について,内科的治療おもにアスピリン内服との無作為試験が施行されており,CEAが治療法として確立されている.症候性頸動脈狭窄では,周術期の脳卒中·死亡率が6%以下であればアスピリン内服より優位であることが示された.無症候性頸動脈狭窄では,周術期の脳卒中·死亡率が3%以下でなければ優位性がないことと,周術期の成績が良好であっても1年間の危険率低下は1%に止まる.脳卒中と慢性期二次予防に対するアスピリンと新たな抗血小板薬との比較が施行されており,イベントリスクに関しては新たな薬剤において一定の低減効果が認められている.

キーワード
頸動脈内膜剥離術, 内科的治療, 症候性頸動脈狭窄, 無症候性頸動脈狭窄


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