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日外会誌. 112(6): 382-385, 2011


特集

頸動脈狭窄症の最近の動向

4.頸動脈ステント留置術の成績―内膜剥離術との比較―

三重大学 脳神経外科

当麻 直樹 , 滝 和郎

I.内容要旨
頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)は頸動脈病変による脳梗塞を防ぐことを目的とした頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)の代替治療であり,近年,欧米では相次いでCEAとCASとのランダム化比較臨床試験が行われ,その結果が報告されている1) 2) 3) 4) 5) .まず最初に報告された試験では,CEAハイリスク例におけるCASの非劣性が証明されたが,その後の試験では症候性のCEA通常リスク例におけるCEAの優越性が示された.しかし,最新の大規模試験では,症候性および無症候性のCEA通常リスク例においてもCEAとほぼ同等のCASの治療成績が報告されている.一方,日本では2008年の承認後のCASの治療成績は比較的良好であった.

キーワード
頸動脈狭窄症, 頸動脈ステント留置術, 頸動脈内膜剥離術

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