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日外会誌. 112(4): 273-279, 2011


特別寄稿

海外における臨床医学の教育研究を目的としたcadaver trainingに関する調査報告

1) 神戸大学 医学研究科·消化器内科
2) 北海道大学 医学研究科·腫瘍外科

杉本 真樹1) , 七戸 俊明2) , 近藤 哲2)

I.内容要旨
外科手術の高度化に伴い,サージカルトレーニングの一つであるcadaver(死体)を用いた医療技術修練(cadaver training)の社会要望が高まっている.そこで国内での実施に向けた法的整備と運営体制の整備の準備段階として,平成21年度,22年度の厚生労働科学研究費補助金研究「サージカルトレーニングのあり方に関する研究」にて実施した,海外におけるcadaver trainingの実態調査を報告した.欧米の一部の国では,臨床医学の教育研究の一環としてcadaver trainingを実施しており,その実施の方式には,解剖学教室が関与せずに大学や病院のスキルラボが運営する方式と,解剖学教室が主体となりセミナーなどを主催する方式があることを示した.国内でのcadaverによる手術手技実習の実施には,死体解剖保存法,献体法,刑法(死体損壊罪)などの法令との整合性を保ちながら実施する必要があるが,今回の報告は,運営体制の整備の基礎資料になると思われる.

キーワード
医療技術修練, Cadaver training, サージカルトレーニング, 死体解剖保存法

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