[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (304KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 112(3): 203-206, 2011


特別寄稿

英国におけるチーム医療の意味するところをどう見るか

Royal Brompton Hospital 

上村 秀樹

I.内容要旨
海外のチーム医療の現状を参考にしようとする時,表面的な形式にばかり目を奪われると,大きな誤解に陥ってしまう可能性がある.文化的,社会的,歴史的背景の上に,医療システムは現在するからだ.医療費支払いの実状や,治療成績の情報公開の制度といった実践的な要因も,技術的専門集団のあり方や多専門分野合同会議の意義に修飾を与える.多業種間の医療業務分担は,医師の負担を軽減するもの,看護師の負担を軽減するものが確かに英国では実働している.一方で,医師や看護師の供給は,英国内からまかなわれる割合が高くなく,チーム医療のレベルの維持,向上が,将来に渡って可能かどうか定かでない.日本人がチーム医療の実利を海外の経験の中から見つけ出すためには,日本の社会,そして日本人自身の特性について理解する必要がある.

キーワード
役割分担, 社会構造, 多業種連携, 多専門分野合同検討会, 技術的専門集団

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。