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日外会誌. 111(6): 363-367, 2010
特集
消化器外科における栄養管理の現状と展望
5.各種病態における術前·術後栄養管理
b)肝·胆·膵疾患
I.内容要旨
肝胆膵外科領域における外科手術では,肝切除,膵切除や肝膵同時切除などの侵襲の大きな手術が行われる.その病態には胆汁や膵液が関連し,慢性肝炎や肝硬変,閉塞性黄疸,膵の内外分泌機能低下や消化吸収障害などの状態を伴うことが多く,適切な管理が要求される.一方,栄養不良が存在する場合には外科手術後の合併症発生率や在院死亡率の上昇することが知られている.肝胆膵外科手術においても例外ではなく,その手術成績を向上させるためには,周術期の栄養管理に精通し,患者の栄養状態を維持していくことが重要である.近年,肝硬変に対する分岐鎖アミノ酸製剤の投与,閉塞性黄疸における外瘻胆汁の還元,早期経腸栄養,免疫増強栄養法やsynbiotics投与などの有用性が報告されており,積極的に取り入れるべきと考えられる.
キーワード
栄養, 手術, NST, 肝疾患, 膵疾患
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