[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (579KB) [会員限定]

日外会誌. 111(3): 182-188, 2010


特別寄稿

いま,求められている外科のリーダーとは

長崎大学 大学院移植·消化器外科

兼松 隆之

I.内容要旨
現在,どのような外科のリーダーが求められているのかを知るために,79の医系大学·大学医学部の学長または医学部長には「外科学講座主任教授」,一般教育病院213病院の病院長には「外科診療部門責任者」の選考に際して,望むことをアンケート形式で回答願った.40大学(50.6%),78一般教育病院(36.6%)から回答を得た.
その結果,外科講座主任教授に求める項目としては論文業績がトップであり,学位を所有することが望まれていた.ついで,教育,そして臨床実績へと続く.一方,外科診療部門責任者に最も望まれていたのは臨床経験で,その裏付けとして専門医資格を備えていることが求められる傾向が強かった.次いで組織統率力,人柄であった.しかし,研究に関する業績や学位についてはそれほど重要視されていなかった.
総合的に見て,外科のリーダーとしては臨床力を求められる傾向が強まっている.そして,教育の重要性も見直されてきている.このような風潮の中,今後は若い外科医にいかにアカデミックマインドを涵養していくかは重要な課題と思われた.

キーワード
外科指導者, 資格, 資質, アカデミックマインド


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。