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日外会誌. 110(5): 255-260, 2009


特集

胸部大動脈瘤の治療―現状と将来―

2.Open Surgery(補助手段,手術成績,合併症)3)大動脈解離

横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センター

内田 敬二 , 井元 清隆

I.内容要旨
本邦における急性大動脈解離手術件数は近年著しく増加し,上行置換,上行弓部置換の件数はこの10年間で1,103から2,877件へと,2.6倍にもなった.手術死亡率(病院死亡を含む)は21.8%から13.4%へと大きく改善した.
現在本疾患での手術に関する論点としては,偽腔閉塞型での手術適応,人工心肺送血路の選択と脳保護法,急性期手術における置換範囲,臓器血流障害への対応と血管内治療手技の応用などがあげられ,それぞれの分野で病態の解明による治療の進歩が認められている.さらなる手術成績改善のためには多列化CTによる的確な診断,迅速な手術,血管内治療の応用,全身の臓器血流障害への総合的な対応など,放射線科,循環器内科,脳神経外科,消化器科等を含めた施設の総合力が必要とされている.

キーワード
急性大動脈解離, 偽腔閉塞型, 脳保護法, 臓器血流障害, 血管内治療


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