[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (247KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 109(3): 123-127, 2008


特集

消化器神経内分泌腫瘍の診断と治療

2.消化器神経内分泌腫瘍の動向―国際的見地から―

東海大学 医学部基盤診療学系病理診断学

梶原 博 , 長村 義之

I.内容要旨
神経内分泌腫瘍はホルモンの発見と神経内分泌腫瘍であるカルチノイドが提唱されるようになった時期は約100年前のほぼ同時期であるが,カルチノイドが神経内分泌腫瘍であると認識されたのは約50年後のことである.WHO分類初版では神経内分泌腫瘍は消化管,膵内分泌細胞に分類されているのみであったが,神経内分泌細胞が全身に分布することが注目され,全身のあらゆる臓器に存在することが分かり,WHO分類最新版では全身諸臓器の腫瘍に分類されるに至った.また,当初カルチノイドは異型に乏しく良性の性格を示す腫瘍と考えられていたが転移する症例がみられることが分かり,低悪性度の腫瘍と考えられている.最近では,悪性度を意識した分類がなされ,カルチノイドの言葉が使われなくなりつつある.消化器神経内分泌腫瘍の分類と神経内分泌腫瘍の治療として注目される,ソマトスタチン受容体アナログについて述べる.

キーワード
神経内分泌腫瘍(NET)カルチノイド, WHO分類, TNM分類, ソマトスタチン受容体アナログ

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。