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日外会誌. 108(3): 143-146, 2007


外科学会会員のための企画

Bacterial translocation

Bacterial translocationの治療

1) 神戸大学医学部 保健学科
2) 兵庫医科大学 救命救急センター

宇佐美 眞1) , 小谷 穣治2)

I.内容要旨
Bacterial translocation の治療には,microbial translocationの抑制,エンドトキシンとメディエーターの制御,抗凝固療法がある.腸内細菌叢のコントロールには,非吸収性抗菌薬により選択的腸管内除菌を行うselective digestive decontaminationと,腸内細菌叢を改善する生菌probiotics·難消化性食物成分prebiotics·両者を併用するsynbiotics投与があり,それぞれ有効性が示されている.エンドトキシン·メディエーターのコントロールには,エンドトキシン吸着カラムを用いたアフェレーシスと,抗エンドトキシンおよび抗サイトカインモノクローナル抗体があるが後者は無効であった.現在TLR4阻害薬が検討中である.メディエーターによる微小血栓形成による多臓器不全への進展を阻害する抗凝固療法としては,活性化プロテインCの有用性が示されている.

キーワード
SDD, synbiotics, エンドトキシン吸着, 活性化プロテインC, TLR阻害薬


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