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日外会誌. 107(3): 122-127, 2006


特集

大腸癌両葉多発肝転移に対する外科治療

5大腸癌両葉多発肝転移に対するstaged operation

横浜市立大学大学院 消化器病態外科学

渡會 伸治 , 田中 邦哉 , 松尾 憲一 , 菅江 貞亭 , 永野 靖彦 , 遠藤 格 , 嶋田 紘

I.内容要旨
両葉・多発肝転移いわゆるH3肝転移の予後を向上させるためにstaged operationが行われるようになった.Staged operationとは,一期的に肝切除を行うと肝切除量が大量となり肝不全が懸念されるような場合に,最初に片側葉のすべての癌を切除あるいは焼灼し反対葉の門脈塞栓を行った後,化学療法を行い,その後残肝の再生と癌の制御状態を見ながら2期的に根治的肝切除を行う方法のことである.本術式の対象はH3肝転移の中でも高度進行例が多いため,合併症も多く,治療成績もやや不良であった.適応の再検討を含め,術前の正確な肝切除デザイン,2期手術を考慮した癒着防止などの1期手術の工夫,手術部位感染防止対策など,今後さらなる改良が必要と考えられる.

キーワード
両葉・多発肝転移, H3肝転移, staged operation, 3D-CT, SSI防止対策

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