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日外会誌. 107(2): 77-80, 2006


特集

悪性腫瘍に対する内視鏡外科の現状とその評価

6.胃癌

1) 東京医科歯科大学 食道・胃外科
2) 東京医科歯科大学大学院 腫瘍外科

小嶋 一幸1) , 山田 博之1) , 井ノ口 幹人1) , 林 美貴子1) , 関田 吉久1) , 河野 辰幸1) , 杉原 健一2)

I.内容要旨
日本で開発された胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術は,技術の向上,器機の開発,外科医の研鑽により,早期胃癌に対する一つの治療法として確立された.その適応は一部の進行癌へも拡大され,内視鏡的粘膜切除(EMR),開腹手術とともに胃癌治療体系の中で重要な位置を占めるようになった.その評価に関しては,現在までにいくつかの臨床研究・症例対照研究から,早期胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の安全性,低侵襲性,根治性の検証がなされてきた.しかし,腹腔鏡下手術の進行癌への適応拡大に関しては更なる症例の集積や基礎研究が必要である.今後,早期胃癌を中心に大規模な無作為比較試験が実施される予定であり,この結果,腹腔鏡下胃切除術の客観的・科学的な評価がなされていくものと思われる.

キーワード
腹腔鏡下手術, リンパ節郭清, 胃癌, 幽門側胃切除術

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