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日外会誌. 106(11): 725-729, 2005


症例報告

肝平滑筋腫の1例

1) NTT西日本大阪病院 外科
2) NTT西日本大阪病院 病理部

今里 光伸1) , 東野 健1) , 加納 寿之1) , 木村 豊1) , 岩澤 卓1) , 大西 直1) , 中野 芳明1) , 矢野 浩司1) , 岡本 茂2) , 門田 卓士1)

I.内容要旨
症例は61歳女性,主訴はなし.腹部エコー検査にて,肝S1に径45mmの境界明瞭な低エコー腫瘤を認めた.造影CT検査にて,大部分が早期から均一に濃染され,辺縁部は門脈相~遅延相にかけて濃染された.血管造影では,早期より全体的に濃染され,wash outされない腫瘤陰影を認めた.肝右葉・尾状葉切除術を施行し,病理組織学検査にて肝原発平滑筋腫と診断された.肝平滑筋腫は非常に稀な疾患であり,海外の文献を含め検索しえたのは18例のみである.既往にAIDSや移植患者など免疫不全患者を6例認めた.予後に関しては,腫瘍に著明に圧迫された胃からの大量出血による死亡例を1例認めているが,肝切除施行全14例で良好な経過を示している.巨大な境界明瞭な多血性腫瘍の場合,肝平滑筋腫を鑑別診断の一つとして考える必要がある.出血や破裂の懸念もあるため,現時点では診断と治療を兼ねて切除することが望ましいと考えられた.

キーワード
Primary leiomyoma of the liver


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