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日外会誌. 106(11): 710-715, 2005


特集

先端技術の外科学への応用

8.医療情報システムの近未来

岐阜大学大学院 医学系研究科医療管理学講座医療情報学分野

紀ノ定 保臣

I.内容要旨
情報通信技術の進歩には目を見張るものがある.しかし,その裏には情報はデジタル化されたものであることが暗黙の了解になっている.情報が従来の紙カルテやフィルム画像のようなアナログからデジタル化された場合,その応用は飛躍的に広がるとともに,大量の情報が瞬時に伝送され,複数多数の人々がそれぞれの場所からリアルタイムに情報共有が可能であることを意味する.デジタル化された情報は加工も容易であり,異なる種類の画像を融合したり,あるいは大量の画像から三次元画像を作成したり,任意の断面に沿った画像を作成することも一瞬で可能になる.術具が感知した圧力などの物理量を術者にpower feedbackすることも可能である.デジタル化された多数の情報を有機的に活用することにより,virtual realityの世界が広がり,そこに新しい価値を持った空間(例えば,術野の中のコラボレーション空間)が生まれ,手術支援システムとなる.情報を伝送すること,加工すること,リアルタイムに共有することは極めて容易である.最後に残されたことは,そのような情報や仮想コラボレーション空間をどのようにデザインし利活用するかだけである.これは技術論ではなく,利用者の感性に大きく依存する.
本稿は,このような趣旨に添って医療情報システムの近未来が外科学に大きく貢献できる分野であることを解説したものである.

キーワード
電子カルテシステム, 情報の一元管理, 情報の共有, 情報処理技術, 医療情報の標準化


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