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日外会誌. 106(8): 489-493, 2005


外科学会会員のための企画

生体臓器移植の現況と将来

生体膵腎同時移植の現況と将来

1) 国立病院機構千葉東病院 外科
2) 国立病院機構千葉東病院 臨床研究センター
3) 千葉県がんセンター 消化器外科
4) 千葉大学大学院 先端応用外科学

剣持 敬1)2) , 浅野 武秀3) , 丸山 通広1) , 落合 武徳4)

I.内容要旨
1型糖尿病腎不全に対し,インスリン治療,人工透析が行われるが,QOLは著しく低くかつ予後不良である.生体膵・腎同時移植は欧米において施行され良好な成績を示している.筆者らは国内で初めて2例の生体膵・腎同時移植を施行した.[ドナー]75g-OGTT,IV-GTTにて正常を確認.画像検査にて解剖学的に異常なしを確認.[レシピエント]:インスリン枯渇した1型糖尿病,腎症にて人工透析を受けている.無自覚性低血糖発作頻回(Brittle型).[移植手技]1)ドナー:開腹手術により,左腎ついで膵体尾部を摘出.2)レシピエント:左腸骨窩に腎移植.右腸骨窩に膵移植.膵グラフトの脾動静脈を外腸骨動静脈に端側吻合し,血流再開後,膵・膀胱吻合を施行.[術後経過]1)ドナー:2例ともに合併症なく退院.2)レシピエント:免疫抑制法はCyA,MMF,Predonine,Basiliximabを用いた.血栓症,拒絶反応,感染症なく,2例ともにインスリン完全離脱,血糖正常化,透析離脱が得られた.[考察]生体部分膵・腎同時移植は1型糖尿病性腎不全に対して,患者QOL,合併症進行抑制,予後向上の点より極めて有効な治療法であり,脳死または心停止下の膵臓移植に比較して免疫学的に有利,待機手術が可能などの利点を有し,厳重な適応検討の上実施する意義を有する.

キーワード
生体膵・腎同時移植, 膵臓移植, 1型糖尿病, IV-GTT


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