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日外会誌. 106(1): 18-22, 2005


特集

外科領域における輸血と血液製剤の現状と展望

5.血漿分画製剤

東京都立駒込病院 輸血・細胞治療科

比留間 潔

I.内容要旨
人の血漿を原料とする血漿分画製剤はアルブミン製剤,種々の血液凝固因子製剤,血液凝固阻止製剤,免疫グロブリン製剤,その他ハプトグロビンやC1‐インアクティベーターがあり,広く臨床応用されている.
一方,血液凝固因子製剤によりヒト免疫不全ウイルスが多くの患者に伝播した「薬害エイズ」問題は常に心しなければならないことである.この反省から現在では血液製剤の安全対策は飛躍的に向上したといってよい.しかし,血液製剤は献血者の無償の奉仕から得られる貴重な治療材料であることと,常に未知の病原体伝播の可能性があることより特に適正に使用する必要がある.また,薬事法では血漿分画製剤などの血液製剤が新たに「特定生物由来製品」として定められ,多くの規制がかけられることになった.
血漿分画製剤の処方箋を書く全ての医師は血漿分画製剤に関する医学的知識はもちろんのこと,社会的な要求や規制を理解した上で適正に使用する必要がある.

キーワード
血漿分画製剤, 特定生物由来製品, 安全対策


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