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日外会誌. 105(12): 737-741, 2004


特集

外科医に必要な炎症性肺疾患の知識

3.肺真菌症

大森赤十字病院 呼吸器科

山本 弘 , 林 孝二 , 友安 浩

I.内容要旨
外科的肺真菌症の現状を概観した.深在性真菌症の発生機序は,宿主の免疫能低下状態を背景にした日和見感染という性格を持っているが,患者数の増加は,時代的な疾病構造の変遷や,医療技術の進歩が反映している.
その典型例として,局所的には肺結核治癒後の菌陰性空洞への,全身的には血液悪性腫瘍治療中の好中球減少患者への,アスペルギルス感染を上げることが出来る.
手術適応として,(1)従来の,内科的治療に抵抗する難治例,という範疇の他に,(2)早期治療による難治化,重症化の防止,という観点もあることを強調した.
本症に対する外科治療の有用性は,昨今認識が深まりつつあり,適切な手術々式を選択することによって,治療効果を最大限に発揮し,合併症を最小限に止める努力が,外科医に要求される.

キーワード
肺真菌症, 日和見感染, 免疫能低下宿主, 好中球減少症, 菌球型肺ア症

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