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日外会誌. 105(11): 716-719, 2004


特集

周術期の院内感染対策

6.呼吸器感染対策

北里大学 医学部救命救急医学

相馬 一亥 , 今井 寛 , 新井 正康

I.内容要旨
周術期の呼吸器感染対策上重要な人工呼吸器関連肺炎であるVAPについて疫学,危険因子,発症機序,診断,治療そして予防対策について述べた.VAPは気管挿管による人工呼吸管理に伴う合併症であり,早期人工呼吸管理からの離脱,気管挿管によらない非侵襲的陽圧換気(NPPV)の積極的導入が予防上重要である.VAPの予後規定因子は早期の適切な抗菌薬投与であり,気道分泌物の培養結果から抗菌薬の変更あるいは中止を決定する.VAP発症機序は主として気管挿管チューブのカフ上の口腔内分泌物の気道内への吸引であり,カフ上吸引と口腔内ケアーがVAP予防に果たす役割はきわめて大きい.

キーワード
人工呼吸器関連肺炎, 院内感染症, 感染対策

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