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日外会誌. 105(8): 435-439, 2004


特集

外科領域における再生医療の現況と展望

3.再生医療の倫理的・法的・社会的問題

岐阜大学大学院 医学研究科医学系論理・社会医学分野

塚田 敬義

I.内容要旨
『ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律』は,「特定胚」の医学的有用性に着目して,胎内への移植を禁じた上で,厳重な取扱いがなされる研究に道を開くのが目的であった筈である.当分の間とはいえ,法律と『特定胚の取扱いに関する指針』との整合性に問題ありといわざるを得ない.ES細胞,組織幹細胞そして,人クローン胚等が三位一体として研究対象にならなければ,それらの有効性と安全性の評価はできない.
再生医療の研究は,生殖細胞,胚,胎児といった特異的な性格を有する細胞を使用しなければ成り立たない.再生医療の医学的有用性に着目し,国家戦略の一翼を担う以上は,着実なる研究の進展を支える対応が求められる.その成果は,延いては社会に還元されるのである.

キーワード
人クローン胚, ES細胞, クローニング, 政策, 生命論理

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