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日外会誌. 105(7): 408-411, 2004


特集

ガイドラインからみた肺癌外科の構築

5.隣接臓器浸潤を伴う肺癌の治療ガイドライン

国立がんセンター中央病院 呼吸器外科

淺村 尚生

I.内容要旨
EBMの手法による肺癌診療ガイドラインの中で扱われた隣接臓器浸潤癌の切除に関して概説した.隣接臓器浸潤癌とは,解剖学的な構造に気管分岐部(正確には隣接臓器ではないが),胸壁,胸壁肺尖部(superior sulcus tumor),横隔膜,左心房・大血管,に浸潤するものである.切除の適応,切除の方法,他のモダリティとの予後からみた比較,などは重要な検討事項であるが,これらの腫瘍においてはほとんど比較試験が存在せず,勧告の基礎となるエビデンスのレベルはいずれも低いものとなっている.しかし将来的に,このような腫瘍に対する比較試験は実現性に乏しいものであるから,現在までの知見を十分把握した上で,実際の手術適応,手技についての臨床上の決定を行っていく必要がある.

キーワード
肺癌, 診療ガイドライン, 外科切除, 他臓器浸潤

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