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日外会誌. 104(4): 356-361, 2003


特集

科学性に基づく外科学の将来展望

5.外科専門医制度と各学会専門医制度との整合性

JR東京総合病院 

古瀬 彰

I.内容要旨
外科領域における専門医制度の再構築は,平成9年の外科関連専門医認定委員会の創立に始まり,平成15年の外科専門医制度の広告申請で一応の完成を見た.本稿においては,その7年間の経緯についてまとめるとともに,その間に得られたさまざまな教訓と将来への展望についても触れた.
外科関連の認定医・専門医制度は日本外科学会認定医を基盤とし,平成2年ごろに構築された2階建てあるいは3階建ての制度であったが,8種類の制度を包含する非常に複雑な制度体系となっていた.平成9年に創設された外科関連専門医認定委員会が,これを修練期間7年以上で一定の手術を経験したことを条件とする4専門医制度(消化器外科,小児外科,心臓血管外科,呼吸器外科)にまとめた.従来の認定医・専門医からの移行措置等について調整を行なった結果,平成13~15年から新制度の外科関連専門医試験が実施されることになった.
他方,日本外科学会の認定医制度もその内容を充実させることによって外科専門医制度に移行することになったが,外科関連専門医制度との整合性について調整が行われた結果,修練期間は従来どおり4年とすることになった.しかし平成14年4月の専門医広告規制緩和の条件として,専門医制度の修錬期間は5年以上とされたため,再び外科関連専門医制度との調整が必要となった.これらの2度にわたる外科・外科関連専門医制度の調整の結果,両制度はお互いに密接かつ有機的な関係を有するものとなった.外科専門医制度の広告は既に申請されたが,外科関連専門医制度の広告については学会法人化の問題が残っている.

キーワード
専門医認定制協議会, 外科関連専門医認定委員会, 外科・関連外科専門医制度調整委員会, 専門医広告規制緩和

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