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日外会誌. 104(3): 285-289, 2003
特集
外科教育と専門医制度
4.新たな外科専門医制度について
I.内容要旨平成14年4月より日本外科学会は従来の外科学会認定に代わる新たな外科専門医制度を発足させた.その特徴は,外科の基本手技として一般外科,消化器外科以外に救急,小児外科,呼吸器外科,心臓血管外科を含めた修練到達目標を設定し,そのための施設群を形成するプログラム主体の制度である.同時に施設についても基準条件を厳しくした.修練期間は広告規制の解除により4年以上が5年以上となったが,二階のサブスペシャルテイーについては当初の7年の線を維持している.この制度は,臨床研修の必修化にも対応し,その2年間を含んでプログラムを形成する必要がある.指導責任者は適切な施設群を形成して所定の年限で1階の外科専門医とともに2階のサブスペシャルテイーの専門医にも対応する計画を立てねばならない.従来の関連病院間の人事異動的な計画では対処が困難になる可能性がある.今後の課題は,修練群形成を積極的に進めることと指導体制の熟成,評価システムの確立,そして将来的には専門医が社会的にも正当な評価と待遇がされるよう関係者は努力しなければならないであろう.発足したばかりの制度は未だ十分内容や要件が周知されていないが,本来の目的に沿って更なる制度の改良と運用面での柔軟な対応が必要である.日本外科学会は外科系の基盤学会としてサブスペッシャルテイー学会と一層緊密な連携の下で本制度の充実のため力を注ぐ使命がある.
キーワード
外科専門医制度, 修練プログラム, 施設基準, サブスペシャルテイー, 広告規制解除
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