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日外会誌. 104(1): 35-39, 2003
特集
外科領域におけるセーフティマネージメント
9.患者取り違え事故の反省とその後の対策
-医療安全管理を質向上のプラットホームに
I.内容要旨平成11年1月11日に横浜市立大学医学部附属病院で起こった患者取り違え事故から4年が経過している.この事故は同姓同名にような単純な誤認ではなく,より深刻な病院医療の根幹にかかわるシステム過誤であった.横浜市立大学は深い反省のもと,「事故直後の対策」から「医療安全管理体制の構築」をすすめてきた.そして2年後の平成13年度から活動は新たな段階に入ったように思われる.それは,職種横断的な自主プロジェクトが課題ごとに成立し,院内で系統的な教育研修プログラムを実施しはじめたことであり,またリスクマネ一ジャーが部会活動を展開し始めたことである.つまり,現場の医療職が安全管理について自主的な活動を組み立てていく方法が,問題解決の新しいモデルとして院内に普及しつつあることである.
今後は,これらの諸活動を病院全体の医療の質の向上のための活動と直接リンクさせ,それらを管理する方法を院内に定着させることをすすめたい.クリニカル・ガヴァナンスの確立である.
キーワード
医療安全管理, 患者誤認, 院内報告システム, 事故予防マニュアル, Clinical Governance
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