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日外会誌. 104(1): 23-28, 2003


特集

外科領域におけるセーフティマネージメント

6.クリニカルパスによるリスク管理

関東病院 外科

小西 敏郎

I.内容要旨
わが国ではクリニカルパス(あるいはクリテイカルパス)は,インフォームドコンセントの充実・チーム医療の展開・患者中心の医療への変革・医療資源の節約などの医療の質を高めるツールとして注目されているが,クリニカルパスでは医療ミスの減少,異常の早期発見が可能なことから,安全性の向上にも極めて有用である.リスク管理には,過去のインシデントのレポートを集積して検討し対策をたてること,医師を含めてナースや医療従事者の個人個人がリスク管理面での医療知識レベルを向上させること,医療従事者間のコミュニケーションをよくして情報をできるだけ共有化すること,医療の標準化を図って医療内容を効率化し無駄な検査や治療を減らすこと,などが重要である.これらのいずれにもクリニカルパスは極めて有効である.さらに重要なことは,クリニカルパスから逸脱する異常を患者自身あるいは家族が早期からチェックできることもクリニカルパスの大きな利点である.クリニカルパスはリスク管理の面でも極めて有用である.

キーワード
クリニカルパス(clinical pathway), クリティカルパス(critical path), インシデントレポート, チーム医療, バリアンス

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