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日外会誌. 103(10): 766-769, 2002
症例報告
右胸骨傍追加切開による肝切除症例
-手術手技を中心として-
I.内容要旨症例は74歳,女性.C型肝硬変があり,肝細胞癌で肝外側区域切除を受けている.肝S8,中肝静脈根部に径12mmの病変を認め,血管造影で肝細胞癌と診断された.上腹部正中切開で開腹して肝上部の剥離を行ったが,視野不良にて右胸骨傍に約5cmの切開を追加し,第VI, VII肋軟骨を切離したところ,良好な視野が得られた.中・右肝静脈を根部より完全に露出しながら分枝を切離し,S8部分切除を施行した.再手術のため剥離操作は容易でなかったが,良好な視野の下で安全に切除し得た.術後経過は良好で15日目に退院した.過去1年間の肝切除41症例中7例で本法による追加切開を行った.いずれも肝静脈根部付近の手術操作が必須であったが,良好な視野が得られ,後の剥離操作が容易に行えた.右胸骨傍切開は手技が簡便で,体位変換は不要,また術中の判断で追加切開が可能である.肝上部の視野が不良な際に有用な方法と思われる.
キーワード
肝到達法, 肝切除, 右胸骨傍切開
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