[書誌情報] [全文PDF] (2213KB) [会員限定・要二段階認証][検索結果へ戻る]

日外会誌. 103(7): 507-510, 2002


特集

Damage Control Surgery

4.外傷患者の病態生理とDamage control surgeryの適応

獨協医科大学越谷病院 救急医療科

池上 敬一 , 山田 浩二郎 , 森本 文雄 , 蒲原 隆 , 佐藤 陽二

I.内容要旨
Damage control surgery(以下, DCS)は,腹部外傷をはじめとする極めて重症の外傷患者の外科戦略として応用されている.大量出血をきたす外傷患者で止血に難渋していると低体温,アシドーシス,血液凝固障害(死の三徴)が進行し,患者は生理学的破綻から死に至る.このプロセスを阻止するには,死の三徴が顕在化した時点で手術を中断し,患者を生理学的に復元させ,その後必要な手術を完了する(DCS). DCSを成功させるには,初期治療の段階でDCSの候補者を選別することが望ましい.そうすれば低体温の予防,あるいはDCSに必要なマンパワーとリソースの準備も早期に行える.DCS候補者を早期に選別するには,受傷機転も含め外傷の重症度判定ができ,蘇生に対する反応性からDCSを選択できる能力が必要となる.

キーワード
damege control surgery, 適応, 低体温, アシドーシス, 凝固障害

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。