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日外会誌. 103(4): 359-363, 2002


特集

食道癌診療の現況と展望

3.食道癌の治療
5)食道癌の化学療法

東京歯科大学市川総合病院 外科

安藤 暢敏 , 石 志紘

I.内容要旨
食道癌に対しアクティブな薬剤はcisplatin, 5-fluorouracil, bleomycin, paclitaxel, mitomycinC, vinorelbine, vindesine, methotrexateである.これら単剤による局所制御能には限界があり,cisplatinをkey drugとした多剤併用化学療法が主流で,なかでもCDDP/5-FUはその奏効率が局所進行食道癌で50%,遠隔転移例で35%と比較的高く,標準治療となっている.最近ではpaclitaxelを用いた併用化学療法が注目されている.術前補助化学療法の意義は,CDDP/5-FUと手術単独との欧米での大規模なランダム化比較試験(RCT)の結果,術前化療が有効という成績と有効ではないという成績とがあり未だcontroversialである.術後補助化学療法はJCOG食道がんグループにおける手術単独とのRCTの結果,術後補助化療により無再発生存期間が延長し,再発予防効果が認められた.

キーワード
食道癌, 化学療法, ネオアジュバント化学療法, 術後補助化学療法


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