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日外会誌. 103(3): 318-321, 2002
特集
創造と調和-Creativeness and Cooperation-
Ⅲ.我が国の肝膵外科学
1.本庄一夫記念シンポジウムによせて
I.内容要旨今から半世紀以上前,本庄一夫は小倉記念病院において肝右葉切除ならび膵全摘に成功した.いずれも本邦初の臨床例である.取り分け前者では,肝門部脈管処理後の肝右葉切除で世界初のものであった.此の頃を出発点として胆道を含めた肝膵外科領域の学問的技術的進歩発展は著しく,行く所まで行き着いたという感がしないでもない.
小倉記念病院から本庄は京都大学病院に戻り間もなく助教授になり,そして金沢大学第二外科教授を命ぜられ,最終的に京都大学第一外科教授に任ぜられた.この間一貫して肝膵外科の発展に寄与してきたが,外科医として,研究者として,そして教育者として最も充実した時は,京都大学第一外科の講師,助教授時代の9年と金沢大学第二外科および京都大学第一外科に教授として勤務した17年の計26年間である.今回の日本外科学会会長今村正之教授は本庄が京都大学第一外科教授の時の弟子である.彼が学術集会を開催するにあたり,本庄の肝右葉切除及び膵全摘成功50周年を記念してシンポジウムを企画したことはまことに慶ばしい限りであり,本シンポジウムが本庄一夫の足跡を軸とし20世紀の肝膵外科を振り返り,21世紀への足掛かりとなれば幸いである.
キーワード
肝右葉切除, 膵全摘, 膵切除術後病態生理, 肝動脈遮断, 門脈枝結紮
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