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日外会誌. 103(3): 304-308, 2002


特集

創造と調和-Creativeness and Cooperation-

Ⅱ.外科医を取りまく諸問題
1.わが国における専門医制度の問題点とその改革

東北大学大学院 小児医学講座小児外科学分野

大井 龍司

I.内容要旨
本来医師の卒後教育と専門医制度とは密接に関連するものである.卒後教育に一定の基準を設け,それぞれの医学領域の進歩に即応した優秀な医師を養成するためとして現存するわが国の専門医(認定医)制度は,外科学会のそれを含めて各学会がそれぞれ独自に発足させ学会内で運営してきていることから,国民にとっては非常に分かりにくく,一般社会に認知されるには至っていないという大きな欠陥がある.昭和56年以来,その欠陥を改善し,わが国の専門医制度の医療に於ける位置づけと健全な発展を求めて学会認定医制協議会(現専門医認定制協議会)を中心に活動が開始され,日本外科学会でも外科関連学会とともに,それに歩調を合わせて制度の改革につとめているところである.今後ともより良い外科修練制度を確立し,それを適切に運用し,最終的にはその評価・審査を国家的第三者機関に委ねるとともに,専門医表示はすべからく自由に認められるところまで継続的な改善努力が必要であろう.理想的な専門医制度とは,良医を養成するのみならず,国民,一般社会,医療界の役に立ち,かつ専門医のメリットが担保されるものでなければならない.

キーワード
専門医制度, 外科専門医制度, 専門医認定制協議会, 認定医, 専門医

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