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日外会誌. 102(9): 632-636, 2001
特集
頸部食道再建術
3.下咽頭癌および頸部食道癌に対する切除郭清
I.内容要旨下咽頭・頸部食道癌の原発巣切除と郭清について述べた.一般には喉頭へ直接癌浸潤がおよばない症例でも,術後の誤嚥に配慮して喉頭を全摘している.
この術式が,いわゆる喉頭・下咽頭・頸部食道切除術(laryngo-pharyngo-esophagectomy)であり,下咽頭・頸部食道癌に対する,標準的な術式であった.また一側の梨状陥凹に限局する症例では,患側の梨状陥凹を喉頭につけて切除する喉頭・下咽頭切除術もおこなわれる.この術式では下咽頭粘膜の切除の度合により,欠損部は一次縫合または移植片を用いた再建がおこなわれる.しかし喉頭に浸潤のない症例では切除・再建に工夫を加えれば,喉頭を残しても誤嚥の問題もなく音声も温存できることが明らかになってきた,さらに喉頭の構造を一部合切除しても,誤嚥・音声の両点とも解決する術式も開発されている.その術式も含め原発巣の切除について述べた.また頸部リンパ節郭清についてはこれまで標準的と考えられていた根治的頸部郭清術(胸鎖乳突筋・内頸静脈・副神経切除)が行われることは稀になり,筋・静脈・神経等をでき得る限り温存する保存的頸部郭清術が施行されるようになりその安全性も証明されている.これら原発巣の切除・再建とリンパ節郭清について解説した.
キーワード
悪性腫瘍, 下咽頭癌, 頸部食道癌, 外科療法
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