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日外会誌. 102(8): 590-594, 2001


特集

複雑先天性心疾患外科治療の最近の進歩

6.総肺静脈還流異常

静岡県立こども病院 心臓血管外科

横田 通夫

I.内容要旨
総肺静脈還流異常の単独例の手術成績は著しく向上しているが,無脾症候群など他の疾患に合併するcomplex TAPVCの成績は死亡率約50%と不良であり,とくに新生児期の無脾症候群合併群の成績が極めて不良であること,さらに手術成功例の報告がまだ5例にも満たないTAPVCの極型といえる共通肺静脈閉鎖の治療が今後の課題といえる.術後のNOガスあるいはECMOの使用は術前,術後管理を一変した.治療困難な術後肺静脈狭窄には,sutureless techniqueが有効との報告が散見されるようになり,新しい治療法として注目される.

キーワード
総肺静脈還流異常, 無脾症候群, ECMO, 共通肺静脈閉鎖, 術後肺静脈狭窄

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