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日外会誌. 102(7): 530-534, 2001


特集

肺癌の手術適応の再検討

8.中心型肺癌の気管支形成術の再検討

1) 東北大学加齢医学研究所 呼吸器再建分野
2) 仙台厚生病院腫瘍センター 外科

千田 雅之1) , 半田 政志2) , 佐藤 雅美1) , 松村 輔二1) , 岡田 克典1) , 島田 和佳1) , 遠藤 千顕1) , 近藤 丘1)

I.内容要旨
当教室で経験した198例の気管支形成術を再検討し,予後,吻合部合併症,吻合部再発に影響する因子を解析した.気管支形成例の病期毎手術成績は一般的な肺癌手術例と同程度であり根治術として確立していると考えられた.組織型別では,腺癌例は進行例,非完全切除例が多く予後不良であった.吻合部合併症・再発は,分岐部切除例,導入療法例に多かった.個別因子として,術後肺炎は吻合部合併症を有意に増加した.Telescope型吻合と端々吻合に差はなかった.切除端の病理学的癌遺残なしに吻合部再発する例はリンパ節転移陽性例に多かった.今後,分岐部形成例,導入療法例での成績向上が必要と考えられた. 一方,中心型甲期肺癌のうち長軸進展距離が1cm以下の気管支壁内限局例ではphotodynamic therapyで充分治療可能であった.今後新しいmodalityの出現により早期肺癌を中心に外科療法の適応が変化することも予想される.

キーワード
気管支形成術, 導入療法, 中心型肺癌, photodynamic therapy

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