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日外会誌. 102(7): 525-529, 2001
特集
肺癌の手術適応の再検討
7.VATS肺葉切除術の検討
I.内容要旨非侵襲性を目的として開拓されてきた胸腔鏡手術(video-assisted thoracoscopic surgery=VATS)は肺癌治療にも応用され,それによるVATS肺葉切除は既に一般的手術手技として広く認識されている.その非侵襲性の指標としてCRP, CPK, IL-6等の血清マーカーが術後に測定され,筆者の施設でのデーターではいずれもVATS群の方が低値に推移していた.また鎮痛剤の使用量も有意に低値であった.一方,VATS肺葉切除の安全性と信頼性に関しては前者においては肺門処理の,後者においてはリンパ節郭清の再検討が必要である.各種内視鏡器具の発達により,今日ではほぼ安全に肺葉切除が可能となっているが,術者トレーニングの為の全国的な統一システムが整備されていない事が気がかりである.またリンパ節郭清においては右縦隔では標準開胸と全く同等の信頼性が与えられるが,左側が不十分な面は無視出来ず今後の課題となるであろう.
キーワード
VATS肺葉切除, 胸腔鏡, 標準開胸, 非侵襲性, リンパ節郭清
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