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日外会誌. 102(7): 507-510, 2001


特集

肺癌の手術適応の再検討

3.T因了から見た肺癌手術適応の再検討

千葉大学大学院 医学研究院胸部外科学

飯笹 俊彦 , 藤澤 武彦

I.内容要旨
T因子から見た肺癌手術適応を末梢小型肺癌,隣接臓器浸潤肺癌,悪性胸水ならびに肺内転移例をめぐる最近の話題から再検討した.末梢小型肺癌の縮小手術の選択は,肺機能の温存という点からは評価されるものの,根治性の問題が懸念される.組織型,腫瘍径あるいは機能面から縮小手術の許容範囲が検討されている.T3症例における胸膜胸壁浸潤例,心嚢浸潤例,T4症例では左房,大血管,気管気管分岐部浸潤例,術中悪性胸水例,同側肺内転移例などでは長期生存例がみられ,手術適応を考慮すべきである.しかし術前N2が明らかな場合などは,たとえ原発巣の浸潤範囲が限定されると考えられても,手術適応はないと考えられる.

キーワード
末梢小型肺癌, 局所進行肺癌, 手術適応, T因子

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