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日外会誌. 102(5): 390-397, 2001
特集
大腸癌肝転移に対する治療戦略-基礎から臨床へ-
6.大腸癌肝転移の局所凝固療法
-ラジオ波熱凝固療法およびマイクロ波凝固療法を中心に-
I.内容要旨大腸癌肝転移に対する局所凝固療法は原則的に肝切除不能例を対象に行う.腫瘍径と存在部位から経皮的,内視鏡下,開腹・開胸アプローチを選択し,ラジオ波熱凝固療法(RFA)とマイクロ波凝固療法(MCT)を使い分ける.十分なマージンを確保しないと治療部位再発が高率に起こるため,経皮的な手技に固執せずに積極的に手術的なMCTを行う.局所凝固療法では必ずしも組織学的な完全壊死が得られるとは限らないため,局所化学療法をできるだけ併用する.治療効果はCTやMRIのdynamic studyによる腫瘍壊死効果と腫瘍マーカー減少効果から判定する.
過去7年間に当科で経験した大腸癌肝転移182例中40例(22%)に局所凝固療法を施行した.症例の内訳は,同時性18例/異時性22例, H1:19例/H2:11例/H3:10例,平均腫瘍径27mm,平均腫瘍個数2.5個であった.観察期間の中央値が2.5年の時点で,治療部位再発を6例(15%)に,近傍再発を4例(10%)に認めた.重篤な合併症は肝膿瘍1例,胆汁漏1例の計2例(6%)と低率であった.局所凝固療法を行った症例の5年累積生存率は37%であり,局所化学療法例(5%)より有意に良好で肝切除例(41%)と差を認めなかった.
キーワード
大腸癌肝転移, 局所凝固療法, ラジオ波熱凝固療法, マイクロ波凝固療法, サージカルマージン
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