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日外会誌. 102(3): 270-273, 2001


特集

外科学-新しい潮流

I.21世紀の外科学会への提言
5.人間としての個別性に対応する外科医療

高知県・高知市病院組合 理事

瀬戸山 元一

I.内容要旨
外科学発展の歴史は,基礎医学の貢献が基盤となっていることはいうまでもない.と同時に,急速に進歩した生命科学などは,臨床医学に積極的に応用されるに至り,外科学としても大きな転換が求められてきている.
このように20世紀は「科学の時代」として位置づけられると同時に,科学が最重要視されてきた時代であったともいえよう.
では21世紀には何が求められているのであろうか.医科学としての外科学のさらなる発展は,大いに期待されるところである.しかし,それよりも強く求められることは,21世紀は「個の時代」であるといわれるとおり,人間としての個別性に対応する外科医療であると考える.
そこで,近代外科学の父Ambroise Pareの言葉である「To cure sometimes, To relieve often, To comfort always」の実践としての外科医療学の推進を,21世紀の日本外科学会に提言したい.

キーワード
高度医療, 統合医科学, 外科医教育, QOL, 個の時代

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