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日外会誌. 101(12): 824-826, 2000
特集
臓器別にみた外科手術の変遷・歴史
2. 甲状腺(バセドウ病)
I.内容要旨19世紀の後半,バセドウ病に対する確実な治療法は甲状腺切除しかなかったという.しかし,るい痩,頻脈,振戦などの症状に加え,拍動を伴った血流の豊富な甲状腺腫の切除にはいかなる外科医も逡巡したに違いない.
1880年代,Billroth, Kocher等により,バセドウ病手術への挑戦がなされた.出血,感染,さらには術後クリーゼによる死亡率が高く,二期的手術や術前の血管結紮などの方法が行われた.1990年代に至り片葉切除と対側葉の部分切除,さらに1920年代には現在標準手術となっている甲状腺亜全摘術が行われるようになった.1923年にはヨードが,1943年にはthiouracilが術前処置として用いられるようになり,術後クリーゼの心配なしに安心して手術が行われるようになった.
一方,1954年放射性ヨード治療の開発により,手術の適応は,甲状腺腫の大きいもの,早期に寛解を望むものなどに限られてきた.
キーワード
甲状腺外科, バセドウ病手術, 歴史
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